2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 重一 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70114428)
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Keywords | アポトーシス / シグナル伝達 / 造血 / マクロファージ / 貪食 |
Research Abstract |
動物の発生過程では数多くの不要細胞が形成されるが、これらはアポトーシスと呼ばれる過程で死滅する。アポトーシスではカスパーゼと呼ばれるタンパク質分解酵素が活性化され、また死細胞はphosphatidylserineをその表面に暴露し、マクロファージにより、認識・貪食される。アポトーシス時に、死細胞のDNAは分解されるが、その分解は死細胞内でカスパーゼによって活性化されるDNaseとマクロファージ、リソソームのDNase IIによって担われている。私たちはこれまでに、DNase II遺伝子を欠損するマウスを作成し、DNAを分解できないマクロファージはToll-like receptor (TLR)非依存的にインターフェロン(IFN)βを分泌し発生途上で死滅することを報告した。本年度、DNase II^<-/->マウスとIFNの産生に関与する転写因子(IRF3, IRF7)ノックアウトマウスを掛け合わせ、この動物細胞のDNAによるIFNβ遺伝子発現もウイルスや細菌のTLR依存のシグナル伝達と同じように、IRF3, IRF7に依存していることを示した。また、マクロファージに蓄積したDNAはIFNβばかりでなくTNFαも産生するがその系にはNF-κBなど、IRF以外の転写因子が関与していることを示唆した。一方、アポトーシス細胞が貪食される際、貪食細胞ではsmall GTPaseであるRac1が活性されるが、FRETを用いたRacの活性化を解析し、アポトーシス細胞貪食に際して、活性化されたRac1が貪食の場にリクルートされ、それによりアクチンの重合が開始されること、死細胞が貪食細胞内に貫入するや否やRac1は不活化され、アクチンが脱重合することを見出した。
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Research Products
(54 results)