2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 重一 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70114428)
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Keywords | アポトーシス / シグナル伝達 / 造血 / マクロファージ / 貪食 |
Research Abstract |
動物の発生過程で形成される数多くの不要細胞はアポトーシスと呼ばれる過程で死滅する。アポトーシスではカスパーゼと呼ばれるタンパク質分解酵素が活性化され、また死細胞はphosphatidylserineをその表面に暴露し、マクロファージにより、認識・貪食される。貪食された死細胞はマクロファージ内のリソソームで分解されるが、死細胞のDNAを分解する酵素はDNase IIと呼ばれている。私たちはこれまでに、DNase II遺伝子を欠損するマウスを作成し、DNAを分解できないマクロファージはToll-like receptor (TLR)非依存的にインターフェロン(IFN)βを分泌し、発生途上で死滅することを報告した。本年度、DNase II欠損細胞を用いてin vitroでのアポトーシス細胞貪食、IFNβ遺伝子活性化系を再現し、この反応を促進する分子をexpression cloning法により同定した。この分子はEya (Eyes absence)と呼ばれる分子で、生化学的解析から、N-末端にスレオニン、C-末端にチロシン脱リン酸化活性を持つことを見いだした。そして、この分子はリソソームに蓄積したDNAばかりでなく、NDVなどのウイルス感染に応答した自然免疫を活性化することも突き止めた。今後はこのフォスファターゼの標的分子の同定が必須であろう。ところでマウスの発生過程でのプログラム細胞死はApaf-1と呼ばれる因子が必須であると報告されている。私達は、DNase II遺伝子欠損マウスを用いた発生過程でのプログラム細胞死の解析から、大部分のプログラム細胞死はApaf-1に依存しているが胸腺や胎児肝でのプログラム細胞死はApaf-1に依存していないことを見いだした。この細胞でどのようにプログラム細胞死が進行するか今後の課題である。
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Research Products
(39 results)
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[Presentation] Engulfment of apoptotic cells2009
Author(s)
Nagata S.
Organizer
The conference of "To kill or be killed : viral evasion strategies and interference with cell death machinery"
Place of Presentation
Norra Latin Conference Center, Stockholm, SWEDEN
Year and Date
2009-11-20
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[Presentation] 細胞の死2009
Author(s)
長田重一
Organizer
金沢大学附属高校同窓会
Place of Presentation
ホテルアウィーナ大阪大阪
Year and Date
2009-09-05
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