2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002018
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (90022730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 憲一 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (80370120)
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Keywords | 細胞記憶 / クロマチン / ショウジョウバエ / マウス / GAGA因子 / FACT / 超らせん化因子 / non-coding RNA |
Research Abstract |
1.GAGA因子-FACT-Brm複合体により誘起されるクロマチンダイナミクスの実態と細胞記憶の分子機構解明 クロマチン免疫沈降法を用いた解析により、2種類存在するクロマチンリモデリング因子Brm複合体のうち、GAGA因子-FACT複合体と相互作用するPBAP複合体はHox遺伝子の制御領域に、相互作用しないBAP複合体は転写領域に分布し、それぞれ機能分担していることを明らかにした。 2.GAGA因子-FACT複合体がPEVに果す役割の解析 GAGA因子-FACT複合体がwhite遺伝子下流でクロマチンリモデリングを誘起し、K9メチル化ヒストンH3をヒストンH3.3に置換することにより、ヘテロクロマチンの進攻を阻止することを示し、position effect variegationのメカニズムを解明した。 3.Pc/trx応答領域におけるnon-coding RNAの転写とAsh1複合体が細胞記憶に果す役割 Ubx遺伝子Pc/trx応答領域におけるnon-coding RNAの転写が、Ubx遺伝子の発現を転写干渉により阻害するという画期的な発見をした。Ash1複合体は非常に不安定で、その分離は難行している。 4.超らせん化因子SCFがX染色体量的補正に果す役割の解明 SCF過剰発現によるオスX染色体の肥大化がISWIの過剰発現で抑圧されことを示し、コンパクトな抑制性クロマチンを形成するISWIに拮抗してSCFはオープンな活性クロマチンを形成することを明らかにした。 5.ショウジョウバエで明らかにした細胞記憶のメカニズムの普遍性をマウスで検証する Ash1ノックアウトマウスは予想に反して生育したが、背骨にホメオチック変換が観察された。一方、SPT16ノックアウトマウスは胚致死となることがわかった。
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Research Products
(5 results)