Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬 伸介 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40019849)
山田 春樹 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00092578)
藤井 斉亮 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60199289)
中村 亨史 山梨大学, 教育人間学部, 教授 (70303394)
清水 美憲 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90226259)
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Research Abstract |
1.中学校段階の比例的推論のカリキュラムの試案を作成した。 中学校の数学のカリキュラムの中でモデル化教材と比例的推論との関わりについて再検討を行った。それぞれの学年で扱いたい教材の意図,指導内容・展開を検討した。 2.教授実験を行なう学校種,単元を計画し,実施した。 (1)題材 一次関数(中学2年),「平成18年度の花粉症対策」,8月5日(金)於;長野市立柳町中学校 スギ花粉は,スギの雄花の成長具合によって飛散するが,その成長は前年の気象状況に影響を受ける。本授業では,長野市の気象状況とスギ花粉飛散量に関する統計資料から,グラフ電卓を用いて一次回帰グラフをもとめ,相関関係があると認められるかを議論した。この議論の過程において,変量の増え方に着目したとき,比例関係をどの程度意識して推論を行っているかで適時性を評価しようと試みた。 (2)題材 二乗に比例する関数(中学3年),「一番売上金額の多いTシャツの値段を求めよう」,11月12目(土)於;山梨大学附属中学校 本授業は,最も売上金額の高いTシャツの値段を予想するものである。値段と売上数の関係は,需要と供給の関係であり,値段が上がれば売上は落ちると予想できる。だからといってすぐには一次関数として単純化はできない。そこで,あるTシャツをいくらなら買ってもよいかをアンケート調査したデータを示し,これを直線で回帰することで一次関数とみた。この際に,その増え方に着目したとき,比例的推論の適時性を評価しようと試みた。 (3)題材 一次関数(中学2年),「人が空を飛ぶには?」,3月3日(金)於;宮城教育大学附属中学校 本授業は,人間が空を飛べるとしたらその羽根の面積はどのくらい必要かを予想する問題である。様々な鳥の羽根の面積と体重との相関関係を調べると一次関数となるが,定数部分は無視してもよい程度の値である。つまりは,羽根の面積とそれ自身の体重とは,比例関係にあると見なせる。この事実をモデル化教材を通して議論することによって,比例的推論の教授・学習の適時性を評価しようとした。
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