2006 Fiscal Year Annual Research Report
「21世紀型環境教育:観る・知る・作る・体験する・考える」の開発
Project/Area Number |
17011011
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
松川 覚 茨城大学, 教育学部, 助教授 (60292661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 宏 茨城大学, 教育学部, 教授 (50091872)
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 助教授 (30302318)
|
Keywords | 科学教育 / 理科教育 / 化学教育 / 環境教育 / 学校ビオトープ / 脳科学 / ワーキングメモリ / 光トポグラフィー |
Research Abstract |
我々は、「環境を通じて理科を学ぶ」という考えに基づいて新しい理科教育法の開発をおこなっている。「実行可能な経済性を持ちかつ生徒に能力・技能・行動力などを効果的に修得させることの出来るような教材の開発」を念頭に「ものづくり」「自然体験」が出来るような教材および教育プログラムの見直しおよび新規創出をしている。平成18年度の成果としては「学校ビオトープの理科教材としての検討」「小中学校でも導入容易な簡便かつ正確な環境測定教材の開発」「河川モデルの見直しと実践」などの教材の開発をおこなった。これらは主として中学校レベルのものとなっているが、小学校から高等学校までカバーできるものであると考えている。また、「考える」というプロセスに至る前段階の「理解」の部分に関して「脳科学」の観点から研究、具体的には脳のワーキングメモリに着目して検証をおこなった。読解力を見る手段として脳のワーキングメモリをみることでそれを測るリーディングスパンテスト(RST)に着目した。我々は中学校理科の文章で構成した理科版RSTを作成し、そのスコアが通常版のRSTとどのように異なるのか検討した。さらに理科に普段から馴染みの深い群(理科群)とそうではない群(一般群)とではどのような違いが出るのか?一般群の中でも理科が好きな群と嫌いな群ではどのような違いが出るのか検討をおこなった。その結果、理科版RSTにおいて二つの群のスコアには有意な差が観られることが明らかとなった。このことは前提条件の有無が中学校理科の文章の読解においても影響することを示している。また光トポグラフィーによる解析をおこなったところ、前頭野において理科版RSTと通常版のRSTを試行する際に活性化の度合いに違いが観られることも見いだした。
|