2005 Fiscal Year Annual Research Report
共同学習を支援するためのVRを用いたインタフェイスと表現方法の研究
Project/Area Number |
17011019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 通孝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40156716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 光一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80273332)
山下 淳 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (80345157)
谷川 智洋 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (80418657)
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Keywords | バーチャルリアリティ(VR)技術 / 没入型スクリーン / 物理現象体感コンテンツ / タンジブル地球儀コンテンツ |
Research Abstract |
本研究の目的は、バーチャルリアリティ(VR)技術を用いることにより、物理現象や科学現象に対する疑問を、自主的に、そして身体的な知識として解決できる環境を開発することである。今年度は没入型スクリーンを用いた物理現象体感コンテンツに関する研究を行った。また、関連研究としてタンジブル地球儀コンテンツの開発と実証実験を行った。 理科教育において,物体の落下や投擲時の挙動など物理現象の理解は非常に重要なトピックとなっている.しかしながら,従来のVRコンテンツでは,ユーザの移動に応じて静的な空間を移動することが可能であるものの,ユーザのインタラクションに応じた現象を提示するものはほとんど無いのが現状である.そこで,従来からの研究設備である没入型スクリーンで物理現象を体験可能なコンテンツの試作を行った。物理シミュレータには既存の動力学シミュレーションライブラリを利用し,ネットワークを介して物理シミュレータと没入型スクリーンとの接続を行った.その結果,没入型スクリーン内で現実空間同様に卓球を行い,卓球の球やブロック等が現実同様の挙動をするVRコンテンツを制作することができた.このシステムを用いることで,現実環境同様のインタラクションで物理現象を学習出来る理科教材を製作することが可能になると考えられる. また,筑波大学の葛岡英明助教授らとともに、タンジブル地球儀コンテンツの開発、および中学校における実証実験を行った。タンジブル地球儀とは、地球儀の回転、および地球儀に取り付けたアバタ(人形)の操作がPC上の宇宙コンテンツ内の時間変化や視点変化に反映されるシステムである。天文学習には高度な空間認知能力が必要であり、たとえば太陽の日周運動を理解する場合には地上から見た太陽の運動(地上視点)と、太陽と地球、および観測者との位置関係(俯瞰視点)との関連づけが必要である。一方、タンジブル地球儀を用いることで、これらの視点を直感的に理解できるようになるだけでなく、アバタを操作させることで、没入感覚が高まり、体性感覚を用いた学習を支援することができる。
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