Research Abstract |
課題解決学習における学習方略の違い,特に,インターネットを用いた場合と用いない場合で,子どもの課題に対する興味・関心,理解の程度は異なるのかについて,広く子どもの特性を捉えた上で,質問紙調査によって検討する。今年度は,特に夏休みの自由研究という,より自由な学習形態の枠組みの中での調査学習形態特性を捉えることにより,子どもの学習形態の嗜好性との関連を捉える事が可能であると考えた。 小学4〜6年生約1,000名を対象として3回の質問紙調査を実施した(第1回2005年7月,第2回9月,第3回2006年2月,のべ約3,000名。)調査内容は,第1回(1)夏休みの自由研究の計画(2)課題の理解の程度,興味・関心,インターネット利用率等,学業への自信,将来展望,学校生活への満足感,心理的健康等,第2回:自由研究の振り返り,第3回調査:第1回調査(2)と同様の質問紙を実施した。 調査の結果,以下の点が示された。子どものメディア習慣として,1日あたりテレビ視聴時間は2〜3時間。テレビゲームは1時間程度。パソコンのインターネットを使用する頻度は「しない」が55〜75%だが,学校差がみられる。(読書量も学校差がみられる。)携帯電話でのメールなどは「しない」が90%程度。学校の好きな活動は,休み時間,図工,体育,家庭科,給食の時間,総合的な学習の時間・理科の順で,理科は,主要教科の中では最も好まれる教科として位置づけられる。順位はいずれの学校でもほぼ同様。課題解決学習におけるインターネットの利用は,利用しようという計画は高いが実際に利用する程度は低い。インターネット利用率の高い子どもの特徴として,女子が多い高学年になるほど多い。知的関心,追究意欲が高い。塾通いの割合が高い。学力は高め。抑うつ傾向が高い。小学生段階では,インターネット利用そのものが家庭環境(教育熱心な家庭像)を反映している可能性がある。
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