2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい「知の創造の教育」モデルによる先端的な教授・学習支援システム
Project/Area Number |
17011027
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 由佳里 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (80320646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 俊春 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00251497)
金井 秀明 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学教育研究センター, 助教授 (90282920)
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Keywords | 理数科系教育 / 創造性 / 多様性教育 / デザイン / 科学教育 / 概念 |
Research Abstract |
1.知の創造の教育モデルについて 新しい知の創造の教育を実現するために、創造的な思考と科学的知識の関係を追求する必要がある。これまで、理数科系科目の評価のなかで創造性の位置づけをめぐってさまざまな議論が行われてきたが、知識を得ることと創造性の関係について明確にはされてこなかった。 本研究では、創造的な思考と知識の関係を確かめるために、概念空間について観測を行う方法を提案し次の二つの観点からの実験を行った。 (1)概念空間の拡張と創造性の関係 創造的な学習を行っている場合、概念空間(思考空間)が拡張するという仮説をたて、その拡張の度合いと、結果における創造性の関係、及び、拡張させる要因を探った。 実験の結果から、学習過程において創造的な思考を行っている場合には概念空間が拡張していること、そして、異なった概念を主題的関連により統合する思考プロセスを行うことが有意義な概念空間の拡張につながっていると考察できる。 (2)創造的な活動が与える概念空間の変形の観測 創造的な学習の過程をとらえるために、概念空間そのものを観測する方法を得るために、実験により、概念融合の前後で概念空間がどのように変形するかをとらえた。二つの異なった概念間の距離の変化を計るという方法を採った。多次元尺度法を用いて分析を行った,結果、概念空間の変形は、実験においては概念融合を行った場合のほうが、統制群よりも大きいということが表された。創造性の高さとの関係は見いだされなかったものの、概念空間の変形が観測できる可能性を示した。 2.好奇心にドライブされる理科の学習探求プロセスを支援するシステム 内発的なモチベーションを高め,多様な学習の実現を可能とすることが創造的な理科の学習に効果があるという考えに基づき,概念融合の課題とセマンティックウェブと意味ベースの活用による教授学習支援システムの概要を考案した.
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