Research Abstract |
本研究の目的は,理数系的な思考方法を習得するため,メタ認知を利用した新しい学習の枠組みを実証的な実験に基づき提案するものである.具体的には,ある科学的な事象や仮説をコンピュータ上で描画し(外化),描画過程を見直させる(内省)リフレクションツールの開発をおこない,小学校等で試行し,有効性を実証する予定である. 本研究はシステム構築と実証実験から構成される.それは,本研究が単に机上でのシステム構築を目指すものではなく,学校現場での利用を通し,学習システムの洗練とシステムの完成を目指すからである.つまり,提案システムの有効性を現場の学校等での試用を通じ実証的に検証しようとするものである.そのため,システム開発とは別に,研究協力者の協力を仰ぎ,現場のフィールドで実証的な検証を予定している. 本年度は,まず,これまでの知見等を元に,メタ認知過程が科学的な思考の育成にどのように寄与するのかを考察し,支援方法の検討をおこなった.このとき,学習モデル作成にあたって,小学校の理科等の授業参観等をおこないデータを収集した.次に,考察に基づき支援ツールの試作システムを設計し,計算機上のプログラムとして実装した.作成した試作システムの評価をおこない一定の有効性を確認し,システムの改良のためのフィードバックを得た.実証的フィールドでの実験をおこなうための準備を整えた. なお,17年度を通じて,研究成果の公開を,各メンバーで適宜,関連する国内・海外の学会や研究会等で発表した.また,次年度以降の研究協力者を募る試みとして,試作ツールについて現場の教員等に対する説明会もおこった.また,試作ツールの配布等情報公開のためのWEBサービスの準備も進めた.
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