2005 Fiscal Year Annual Research Report
幼年児の科学学習コンピテンスを伸長する教育内容と適時性に関する実践的・開発的研究
Project/Area Number |
17011056
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (50315347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 昭三 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50228863)
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Keywords | 幼年児向け科学学習 / 科学学習コンピテンス / 新世紀型科学カリキュラム |
Research Abstract |
本年度は、開発研究段階として、自然事象に関する幼年児の認識及び幼年児向け科学学習プログラムに関する既存文献の研究と予備的調査・統計作業による幼年児の科学学習コンピテンスを伸長する教育内容の開発を行っている。教育内容としては,「植物」,「動物」,「人間のからだ」,「空気」,「水」,「天気」,「岩石」,「磁石」,「重力」,「力学」,「音・光」,「環境」などを想定しているが、本年度の時点では,全国各地の幼稚園・小学校の先生方と研究交流を図りながら、子どもの自由な発想や活動を重視し、適用学年を詳細に規定しないプロジェクトベースのものを開発・実践している。研究計画に沿って行われた本年度のこれまでの研究成果は国内外の学会等で発表された。 本研究では、次の二つを新世紀型科学カリキュラム検討の基本的な観点とした。(1)なぜ「科学学習プログラム」が必要なのか;(2)なぜ「幼年児段階」に科学学習プログラムが必要なのか。こうした観点は「適時性」の議論に直結するものである。そして、そこから「わが国の幼い子どもたちに求められる」科学学習プログラムに関して、開発的・実践的に研究を行っている。 幼年児段階で科学学習を行う意義としては、大きく(1)学びの生得性、(2)学びの持続性、(3)学びの広がりと深まり、(4)学びの領域と社会との関わりが考えられた。本研究では、教育実施状況調査結果やTIMSS2003結果に関する詳細な分析も行いながら、米国の才能児向け科学学習プログラムに設定されている枠組みを参考に、わが国の幼い子どもたちに求められる新世紀型科学カリキュラムを検討している。そこでは、脳研究の研究成果等を参考にしながら、感性を生かし統合的に科学概念を学ぶアプローチの可能性についても議論される予定である。
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