2006 Fiscal Year Annual Research Report
博物館におけるコンテンツデザインの手法と実践の研究
Project/Area Number |
17011062
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 助教授 (40192025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺野 隆雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20227523)
真鍋 真 国立科学博物館, 地学研究部, 主任研究官 (90271494)
石田 晴久 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (70017317)
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Keywords | mobile learning / PDA / インタラクション |
Research Abstract |
本研究で開発するシステムの目的は、PDA端末とRFID技術をくみあわせることによって、従来、理解が困難であった展示のコンテンツをよりわかりやすく示すことである。システムは、PDA端末におけるコンテンツを重視した学習支援システムであり、ユーザの興味や関心を記録できる展示に対する評価実験を行い、効果を検証する。 本研究では,2年間で前年度の特定研究の成果をもとに、(1)ユーザである来館者の活動の文脈にあったインタラクティブ展示を利用することにより,学習者の参加意欲を高め,より自然な形で学習者間の相互作用を支援するシステムを開発した。(2)博物館での実験を通じて、グラフィックデザインを強調した学習環境を演出すると館内にある展示に対するオリエンテーション、特に操作説明の理解と年齢や性別などのこどもの個々の特性にも効果があることが検証できた。 (1)17年度は,まずコンテンツデザインのための調査をこどもをユーザとして行った。そのうえでRFIDタグとPDAと携帯電話、ipodを用いてシステムを構築した。できあがったプロットタイプシステム上で,コンテンツの実装を行った。特に本研究では操作性を重視多インタフェースのデザインを中心に実装した。 (2)18年度では,さらに展示形態の異なる科学博物館、動物園水族館での実験を行い,本研究の目的である「博物館の展示の理解」への有効性を検証する実験を4回行った。実験ではビデオ撮影とアンケート調査を中心に評価をとった。その結果研究のコンテンツデザイン手法,及び実験は,展示のオリエンテーションへの効果のみならず、さまざまな年齢(幼稚園から高校生まで)や性別また学習知識の異なるこどもたちの科学に対する興味・関心を培い,論理的思考を伸ばすことにも十分貢献できることが明らかになった。博物館にはさまざまな特性の違うこどもたちがやってくるので今後も本研究の知見を生かしユーザの個性に対応できるシステムの構築・コンテンツデザインの両面から研究を発展させていく予定である。
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Research Products
(4 results)