Research Abstract |
これまでに開発したシステムを真に使えるものにするためには重大な問題が残っている.それは,これまでの研究におけるコンテンツ作成においては,バーチャルラボと物づくりラボとの連携が,必ずしもスムーズに結びついているとはいえない.システム改善の主な点を以下にまとめる. 1)学習者がよりより効果を認識できるように,RPGゲーム中で行われる最後の卒業試験(到達度確認)に大幅な変更を加えている.従来座学の試験(穴埋めtext形式),所謂学校のpaper testそのものの形式であったものを,javaプログラムを利用することで変更を行っている.その結果,例えばバーチャルラボ(RPGゲーム型システム)での疑似体験を試験の中で確認することは勿論のこと,物づくりラボでの実体験をmovie shotとして利用し,二つを融合させた卒業試験が可能になってきた.学習者は,卒業試験に到達するまでのすべてのバーチャル体験,実体験を確認,理解度を自己判定できるため,達成感を具体的に感じることができる. 2)管理者(指導者)が学習者の現在の到達度を頻繁に把握できるように変更を加えている.これにより,指導者から学習者への適切な時期でのアドバイスが可能になる.具体的には従来web上でRPG体験を行っていたために,RPGゲーム型の問題提起とバーチャルラボにおける擬似体験について,学習者の体験履歴が残せなかった.これをjava applicationにシステムを変更することで,学習者が一旦そのRPGを終了したときに,cgiにより管理者に自動的にmailを送ることを可能にした.その結果,管理所に学習ごと一括管理されることで,指導者の各学習の把握に要する労力が減じられている.これは大人数の使用にも耐えうる重要なシステムの変更である. 3)コンテンツとしてより分かりやすいものにすべく改良を重ねた.例えば,光の三原色を体験,理解してもらうコンテンツでは,従来見られなかった混色の中間過程をバーチャル体験できるプログラムを増やし,より学習者が実感できるようにした.
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