2005 Fiscal Year Annual Research Report
IT活用教育効果の血中生理活性物質・脳波を指標とする生理学的評価
Project/Area Number |
17011077
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Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
仁科 エミ 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (20260010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 徳枝 国際科学振興財団, 研究開発部, 主任研究員 (50261128)
本田 学 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第七部, 部長 (40321608)
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Keywords | 静止画精細度 / 動画精細度 / 脳波α波 / 生理活性物質 / 主観評価 |
Research Abstract |
この研究は、学習者の生理・心理状態を直接的に反映する血中生理活性物質や脳波の計測、高次脳機能イメージング等によって、IT利用学習による生理的影響を明らかにするとともに、学習意欲・効果の増大に寄与する教材やメディアの特性を見出し、今後の教材設計や学習システム開発に資する知見をえることを目的とする。今年度は以下の研究を実施した。 1.評価実験用コンテンツの開発 高精細の教材用実写静止画像をもとに、3種類の精細度の異なる呈示用試料を製作した。動画像としては、15分間のハイビジョン映像と、これをMPEG2相当画質にダウンコンバートした映像との2種類の呈示用試料を製作した。 2.脳波の計測分析 パソコンディスプレイから静止画像を、プロジェクターから動画像を、任意に切り換えて呈示するシステムを構築した。システムから呈示される静止画像・動画像を視聴中の被験者10名の脳波を計測し、帯域別のポテンシャルを分析した。その結果、より高い精細度の静止画像・動画像を呈示しているときの方が、より高い脳波α波ポテンシャルが計測されることが統計的有意に見出された。 3.血中生理活性物質の計測分析 動画像視聴の直前・直後に被験者4名の血液を採取し、その中に含まれる微量の生理活性物質の変化を予備的に分析した。動画像の精細度を高めることにより、ストレスや攻撃性が低下するとともに、対がん・感染防御活性などの免疫活性が向上することを示唆する生理活性物質の変化が観察された。 4.fMRI・光トポグラフィを用いた実験計画と実施準備 脳波α波ポテンシャルの変化や血液中生理活性物質の変化に対応して活性化する脳内領域に関する空間情報を得るために、fMRIおよび光トポグラフィをもちいた実験計画を検討した。
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