2005 Fiscal Year Annual Research Report
癌浸潤に関与するユビキチン化を生細胞で時間的空間的に解析する
Project/Area Number |
17012001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 伸哉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70261287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 広史 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50322805)
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Keywords | CRK / DOCK180 / ユビキチン化 / ELMO1 |
Research Abstract |
【目的】 本研究では、細胞癌化とユビキチン化に焦点をあててその詳細なメカニズムの解析を行った。具体的には、シグナル伝達アダプター分子CRKを介する癌化のシグナル伝達機構の中でユビキチン化の受ける可能性のある分子を検討し、ユビキチン化を可視化する事を試みた。 【方法と結果】 (i)CRK自体が人の癌化に必須の分子であることをsiRNAを用いた実験で証明し報告した(Linghu, H., et al., Oncogene,2006,in press)。ヒト卵巣癌細胞にてCRKをノックダウンすることで細胞癌化能が著明に低下し、特に卵巣癌の腹腔内播種は完全に抑制された。(ii)次にCRKを介する細胞癌化機構の中でSH3領域の標的分子である低分子量G蛋白質活性化因子DOCK180がユビキチン化を受けることを見出した(Makino, Y., et al., JCS,119,923-932,2006)。さらにこのDOCK180のユビキチン化はDOCK180のSH3領域の標的分子であるElmo1によって抑制される事で、細胞の局所においてDOCK180の量が制御されることでRacの活性が制御されることが示された。さらに、我々は現在ELMO1がチロシンリン酸化を受ける事を見出しており、その特異的なチロシン残基を1箇所同定しており、現在その機能解析を行っている。(iii)YFP-DOCK180とCFP-Ubiquitinを用いてFRET反応系を構築することで、細胞内での癌化とユビキチン化の可視化を試みたが、現在、蛍光蛋白を有するubiquitin分子のpolyubiquiltylationの効率が極めて低く、有意な結果を得られていないが、問題点を解決することで、本研究の目的を早期に達成したいと考えている。
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