2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ気泡による新しい分子導入法の開発とがん画像診断への応用
Project/Area Number |
17012002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
鈴木 麻衣子 東北大学, 先進医工学研究機構, 助手 (70420049)
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Keywords | マイクロ気泡 / 分子導入 / PET / 遺伝子発現 / 可視化 |
Research Abstract |
超音波造影剤(マイクロ気泡)と超音波を利用した分子導入法は、任意の組織に遺伝子などの高分子を非侵襲的に導入する手法として注目を集めている。この手法は免疫原性や細胞毒性はなく、癌や心臓血管疾患への治療応用が期待されている。一方、遺伝子治療では、遺伝子導入後の遺伝子発現特性を非侵襲的に診断し、患者の効率的な治療計画を立てることが望まれる。NIS遺伝子は甲状腺で恒常的に発現している遺伝子でヨウ素を取り込む働きがある。本研究申請ではこのNIS遺伝子に着目して非侵襲的分子導入法を使って腫瘍組織に遺伝子を導入し、この遺伝子の発現特性を非侵襲的に画像化することを目的としている。まず、in vitroおよびin vivoで癌細胞にレポーター遺伝子を導入し、その発現特性から分子導入法に関わる物理条件を最適化した。つぎに、この最適条件下でNIS遺伝子を癌細胞に導入した。in vitroでは経時変化に対するヨウ素^<125>Iの取込特性と放出特性を明らかにし、また、NIS遺伝子の発現活性が高い細胞株でヨウ素の取込量が高まることをmRNAの転写量から定量的に明らかにした。In vivoでは、ヨウ素^<123>Iを使い、γカメラでNIS遺伝子の発現の可視化を試みた。マウス側腹部で増殖させた異種腫瘍にNIS遺伝子をトランスフェクションさせた後、経口投与でマウスの胃に^<123>Iを導入し、マウス全体をγカメラで経時的に可視化を行った。胃、甲状腺、膀胱でヨウ素の集積が確認されたが、腫瘍ではヨウ素の集積が確認できなかった。この理由としてγカメラのバックグランドノイズが高いこと、および、可視化に必要な高濃度のヨウ素が日本では入手不可能で、実験に供し得なかったことがあげられる。現在、共同研究者である英国がん研究所のVassaux博士と、SPECT/CTを使い、高濃度のヨウ素^<123>Iでin vivoでの可視化実験を行っている。
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Research Products
(5 results)