2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17012009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
濡木 理 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (10272460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石谷 隆一郎 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (30401186)
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Keywords | X線結晶構造解析 / シグナル伝達 / レセプター / がん遺伝子 / 薬剤設計 |
Research Abstract |
がん細胞の転移・浸潤には、低分子量Gタンパク質によって制御される、細胞骨格の再形成、開口放出による細胞膜の供給が必須である。我々は、アクチンフィラメントの再形成に必須なRac1およびCdc42、そのGEFであるAsef2、およびその活性化因子であるAPC(大腸がん抑制遺伝子産物)の大腸菌による大量調製系を確立し、3者複合体の結晶化を行っている。すでにAsef2とAPC(アルマジロリピートドメイン)の2者複合体の大量調製に成功し、結晶化スクリーニングを行っている。さらに、Rhoにより活性化されてアクチンの重合を触媒するFormin(Daam)のFH_2ドメインの構造を2.8Å分解能で決定し、新規のアクチン重合モデルを提唱した(submitted)。また、開口放出時の膜融合制御に働き、がんとの関連が示唆されてきたRalAに関しては,そのエフェクターであるExocyst複合体について,ブタ脳からの精製方法を確立し、低温電子顕微鏡をつかった単粒子解析を行った.また,GST-RalAをbaitとしたアフィニティー精製を行い,Ral GAPを新規に発見することに成功した(論文準備中)。また,出芽酵母のRabであるSec4pのGEFであるSec2pのGEFドメインの結晶構造を3.0Å分解能で決定し、本タンパク質がトロポミオシンに酷似した新規のGEFドメインを持つことを明らかにした(Structure,2007)。さらに、Sec2pとSec4pの複合体の結晶構造を2.7Å分解能で決定し、GEFによるRabの新規の動的な活性化機構を明らかにした(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,2007)。また、細胞のがん化を誘起するWnt/β-catenin増殖シグナル下流で働くDvlとその制御因子NRX、E-cadherinやβ-catenineで活性化されRhoやCdc42を制御するRICSに関して可溶性ドメインの大量調製に成功し、機能性複合体の結晶化を目指している。さらに、抗腫瘍免疫に働く可能性が示唆されているIRF-3,5,7とそれらを活性化するMyD88やTRF6の可溶性ドメインの大量調製に成功し、機能性複合体の結晶化を目指している。特にIRF-5のDNA結合ドメインとDNAの複合体に関しては、有望な結晶の作成に成功している。
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Research Products
(7 results)