2007 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達素過程におけるがん関連遺伝子の作用機構
Project/Area Number |
17012010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 邦弘 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70116375)
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Keywords | TAK1 / シグナル伝達経路 / ノックアウトマウス / プロテインキナーゼ / 細胞死 / 活性酵素 / EGFR |
Research Abstract |
(1)上皮組織におけるTAK1シグナル伝達経路と発癌との関係:これまでの研究から、TAK1が上皮組織における活性酸素代謝に必須の役割を果たしていること、マウスの皮膚組織をモデル系とした研究から、TAK1欠損による活性酸素代謝の異常は皮膚表皮細胞の細胞死を誘導し重篤な炎症を引き起こすことを見いだした。本年度から、TAK1の欠損を誘導するコンディショナルノックアウト系を用い、皮膚癌の進行がTAK1による活性酸素代謝によってどのように制御されているかを同定する研究を開始した。現在までに、rasの変異によって誘導されたパピローマが、TAK1の欠損によって消失することを見いだした。このがん組織の消滅は、TAK1欠損による活性酸素の上昇が癌細胞を死滅させたためと考えられる。 (2)LRRK1によるEGFRエンドサイトーシスの制御機構:恒常的なEGFRの活性化は、細胞の癌化に重要な役割を果たしている。細胞はエンドサイトーシスによりEGFRを細胞膜上から取り除き、リソソームによる分解を通じてEGFRシグナルを制御している。新規MAPKKKタンパク質LRRK1が、EGFRの細胞内トラフィックの制御に重要であることを見出した。siRNAを用いて内在性LRRK1をknockdownしたところ、EGFRは早期エンドソームに局在したまま後期エンドソームへの移行が阻害されることがわかった。さらに、EGFRの早期エンドソームから後期エンドソームへの移行にはLRRK1のキナーゼ活性が必要であること、LRRK1はリソソーム分解経路に重要なタンパク質複合体ESCRTの構成因子STAM1と相互作用することが明らかになった。
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[Journal Article] C. elegans WNK-STE20 pathway regulates tube formation by modulating ClC channel activity2008
Author(s)
Hisamoto, N., Moriguchi, T., Urushiyama, S., Mitani, S., Shibuya, H., and Matsumoto, K.
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article] LRK-1, a C. elegans PARK8-related kinase, regulates axonal-dendritic polarity of SV proteins.2007
Author(s)
Sakaguchi-Nakashima, A., Meir, J. Y., Jin, Y., Matsumoto, K., and Hisamoto, N.
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Journal Title
Curr. Biol. 17
Pages: 592-598
Peer Reviewed
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