2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17012012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 栄介 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (60143369)
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Keywords | MAPキナーゼ / ERK1 / 2 / G0 / G1期 / M期キナーゼ / Plk1 / Myt1 / タイリングアレイ |
Research Abstract |
細胞周期のM期の進行を制御するカスケード反応として、M期キナーゼネットワークの解析を行ない、前年度までに、進化的に高度に保存されたM期キナーゼPolo-like kinase 1 (Plk1)がMyt1とBubR1をターゲットとしていること、およびBubR1のPlk1によるリン酸化がM期前中期における染色体の整列を促進することを明らかにしていた。今年度は、Myt1の機能解析を進め、Myt1がCdk1(Cdc2)のネガティブな制御キナーゼであるにもかかわらず、G2期からM期への進入のタイミングの制御にはほとんど影響を及ぼさないこと、細胞内膜系のゴルジ体と小胞体のM期後期から終期における再構築に重要な役割を果たすことを示した。また、サイクリンB1とサイクリンB2のノックダウンの実験から、このMyt1の機能は、サイクリンB1/Cdk1とサイクリンB2/Cdk1の双方のキナーゼ活性をM期後期から終期にかけて抑制することを介していることが示された。細胞周期の進行、特にGO/G1期からS期への進行を制御するカスケード反応として、ERK MAPキナーゼカスケードに着目し、その機能の解析を続けた。本年度は、ERKによる早期応答遺伝子の発現から始まる転写因子カスケードの存在をin silicoの解析から予想できた。その一部については、ノックダウンの手法などにより証明することができた。また、転写因子NFYの重要性を明らかにし、その細胞周期進行における役割を解析した。また、前年度より開始したタイリングアレイ解析を進めた結果、転写の新しい機構を見い出すことができた。すなわち、SRFによる早期応答遺伝子の発現誘導の際、近傍の遺伝子の発現も誘導されるということが明らかとなった。この新しく見い出された現象の詳細な解析と分子機構の解明を進めている。
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