2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17012018
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山村 研一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (90115197)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 穣 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (40363527)
|
Keywords | 遺伝子トラップ / Abhd2 / 血管平滑筋 / 遊走能 / Spink3 / トリプシンインヒビター / 膵腺房細胞 / オートファジー |
Research Abstract |
可変型遺伝子トラップベクターpU-21を用い、140個のネオ耐性クローンを単離、そのうち81クローンが単一コピーのベクターを持ち、生殖系列に伝達されたのは43クローンであった。 トラップベクターがa/b hydrolaseドメインをもつAbhd2遺伝子の第5イントロンに挿入されたクローンを解析した。本来は425個のアミノ酸であるが、N端の180個のアミノ酸からなるtruncateしたタンパクが産生される変異を生じることが分かった。しかし、ホモ変異マウスの成体は、そのままではなんら異常を示さなかった。胚発生における遺伝子発現を解析したところ、血管平滑筋で発現していることが明らかとなったので、成体の血管平滑筋の増殖因子に対する増殖と遊走能をin vitroで解析したところ、増殖はしないが、遊走能が著しく亢進していることが分かった。また、成体の大腿動脈にCuff placementを行ったところ、neointimal formationが亢進していることがわかり、これが、血管平滑筋の増殖ではなく、やはり遊走能の亢進によることが分かった。Abhd2は、もともとは加水分解酵素であり、その基質が何であるか解析しているところである。 Spink3遺伝子は、トリプシシと結合し、その活性を阻害する分子として発見された。したがって、遺伝性膵炎の原因遺伝子ではないかとの報告もあるが、その決着はついていない。そこで、この遺伝子の機能を明らかにすることを目的として、遺伝子破壊マウスを作製し、解析した。その結果、膵臓の外分泌腺のacinar cellが、出生前より膵臓が消失し始め、生後2週間程度で死亡することが分かった。ととろが驚いたことに、膵臓の消失はいわゆる壊死でもアポプトーシスでもなく、autophagyによること、またacinar cellの増殖も見られないことが分かった。
|