2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30133721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 聖爾 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70292018)
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (10307853)
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Keywords | EBウイルス / EBER / RIG-I / インターフェロン / 発がん |
Research Abstract |
我々はEBウイルス(EBV)関連胃がん発生の分子メカニズム解明を目的として研究を行っている。これまでにEBVがコードする小RNA分子EBERがインターフェロン(IFN)誘導性のキナーゼPKRの活性化阻害により細胞にアポトーシス抵抗性を賦与し、また別のメカニズムにより各種サイトカインを活性化し細胞の増殖促進を誘導するなど、EBV発がんにおいて重要な役割を果たしていることを報告してきた。本研究では発がんに密接に関連すると考えられるEBERの新たな機能を見いだした。Retinoic acid-inducible gene-1(RIG-1)は、Toll-like receptor 3(TLR3)と同様、ウイルス由来のdsRNAを認識し、IFN regulatory factor 3(IRF3)やNF-κBの活性化によりIFNや炎症性サイトカインを誘導する分子である。我々は、バーキットリンパ腫(BL)細胞株のEBV陽性、陰性細胞クローン、EBV陰性BL細胞株へEBERプラスミドを導入した細胞クローン、EBV陰性BL細胞株へ野生株EBV、EBERノックアウトEBVを感染させた細胞クローンを用いて、EBER陽性細胞にRIG-Iを発現させるとI型インターフェロン(IFN)及びIFN-stimulated geneの発現が誘導されることを見いだした。さらに、細胞内でEBERがRIG-Iと結合していること、EBERがRIG-IによるIFN誘導に重要なNF-κB、IFN-regulatory factor 3の発現を誘導することを明らかにした。以上の結果は、EBV感染細胞内においてEBERがRIG-1によってdsRNAとして認識され、シグナル伝達を惹起することを示している。最近、自然免疫システムの重要性が注目されているが、本研究の結果は、EBERが自然免疫系のシグナル活性化を通じて発がんに貢献している可能性を示唆する。
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Research Products
(6 results)