2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30133721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 聖爾 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70292018)
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (10307853)
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Keywords | EBウイルス / 胃がん / EBER / RNA / IGF-1 / RIG-I / 自然免疫 |
Research Abstract |
我々はEBウイルス(EBV)関連胃がん発生の分子メカニズム解明を目的として研究を行っている。 1)EBERによる発がんメカニズムの研究 これまでにEBVがコードする小RNA分子EBERがインターフェロン(IFN)誘導性のキナーゼPKRの活性化阻害により細胞にアポトーシス抵抗性を賦与し、また未知のメカニズムにより各種サイトカインを活性化し細胞の増殖促進を誘導するなど、EBV発がんにおいて重要な役割を果たしていることを報告してきた。今年度の研究により、EBERが細胞内においてはRetinoic acid-inducible gene-1 (RIG-1)により、細胞外においてはToll-like receptor 3 (TLR3)によりdsRNAとして認識され、その結果、バーキットリンパ腫細胞においてはIL-10を、胃がん、上咽頭がんなどの上皮系のEBV関連がんではインシュリン様増殖因子IGF-1の発現を誘導することを見いだした。本研究の結果、EBERが自然免疫系のシグナル活性化を通じて発がんに貢献していることが明らかとなった。 2)EBERトランスジェニックマウス作製 マウス細胞でのEBER発現のためのプロモーターの検討を行った。その結果、U6プロモーターへEBER遺伝子を連結することによりEBERの高発現が得られることが明らかとなった。 3)初代上皮細胞へのEBVの持続感染系確立 上皮細胞へのEBV感染では感染後にBZLF1遺伝子が発現し、その結果EBV産生が誘導され細胞が死滅する。そこでBZLF1ノックアウトEBVを作製した。今後、作製したEBVを用いて上皮細胞でのEBV持続感染系確立を目指す。
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Research Products
(6 results)