2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (10311565)
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Keywords | PTEN / PI3K / 膵ベータ細胞 / 肝臓 / 皮膚 / T細胞 |
Research Abstract |
PTENはその主な基質をホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)とする脂質ホスファターゼであり、PI3K経路を負に制御する。我々はPTENの生体における機能を解析するためにPTEN全身欠損マウスを作製したが、このマウスは胎生早期に致死となったことから、PTENfloxマウスを作製し、2009年度には、膵臓β細胞特異的PTEN欠損マウスではβ細胞のサイズの増大やストレプトゾシン誘発性糖尿病抵抗性を示すもののβ細胞腫瘍は発症しないことを明らかにした。また肝臓特異的なPTEN欠損マウスにみられる非アルコール性脂肪性肝炎の発症には性差があること、およびその原因の可能性について言及した。さらに皮膚癌を呈するケラチノサイト特異的PTEN欠損マウスではFABP4の発現に最も差のあることを見出し、FABP4のがんの発症・進展に対する作用ついて考察した。またこのマウスでは皮膚上皮肥厚や有棘細胞癌の発症をみるためにPTEN/PI3Kgammaの二重欠損マウスを作製したところPTEN/PI3Kgammaダブル欠損によって有棘細胞癌の発症の有意な遅延をみることからPI3Kgammaが有棘細胞癌の発症に重要であることを見出し報告した。その他T細胞特異的PTEN欠損マウスにみられるリンパ腫や自己抗体産生亢進もPI3Kgamma依存性であることを見出しており、現在この原因のさらなる解析をすすめている。
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