2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 智 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | 発がん / 動物モデル / トランスジェニックマウス / 大Maf群転写因子 / c-Myc / リンパ腫 |
Research Abstract |
1)T細胞特異的にc-Mafを過剰発現するトランスジェニックマウスの解析 これまでの研究で、T細胞特異的にc-Mafを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した。これらマウスでは加齢と伴にT細胞性リンパ腫が発症することを報告した。発症に係る遺伝子を解析したところ、P53の発現には変化がないものの、c-Mycの発現が上昇していることが明らかとなった。また、人のリンパ腫症例を解析し、AILTでは31症例中23症例でc-Mafの過剰発現が確認できることを明らかにした。 2)B細胞特異的にc-Mafを高発現するトランスジェニックマウスの解析 B細胞特異的にc-Mafを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製したが、発症頻度は低く、まだ多発性骨髄腫モデルとしては十分ではない。そこで、より高発現のプロモーター/エンハンサー系を用いて、B細胞にc-Mafを高発現するトランスジェニックマウスを作製した。その結果、新たに2ラインのトランスジェニックマウスを確立した。それらについて現在発症の有無を確認している。 3)p53遺伝子欠損マウスとの交配による発がんの促進モデルの確立 多発性骨髄腫症例の解析から、P53の欠損が症例の重症度と相関することが示唆されている。そこで本研究では、P53欠損とc-Mafの過剰発現によるがん化との関連を解析するために、P53+/-マウスとの交配を行い、P53欠損を導入する。このc-MafTg+::P53+/-マウスにおいて、骨髄腫及びリンパ腫の発症頻度と重症度が変化するか否かを解析し、その相関を個体レベルで明らかにする。現在マウスの確立を行っている。 4)c-Myc過剰発現マウスとの交配による発がんの促進の解析 ヒト多発性骨髄腫症例では、大Maf群転写因子の過剰発現と伴に、c-Mycの過剰発現が観察される。そこで、c-Mafトランスジェニックマウスとc-Mycトランスジェニックマウスを交配し、c-Maf::c-Mycダブルトランスジェニックマウスを確立した。現在骨髄腫発症を追跡中である。
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