2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 智 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | 発がん / 大Maf群転写因子 / 動物モデル / リンパ腫 / 多発性骨髄腫 |
Research Abstract |
1) B細胞特異的にc-Mafを高発現するトランスジェニックマウスの解析(ヒト多発性骨髄腫モデルの確立) B細胞にc-Mafを過剰発現することにより、頻度は低いものの、形質細胞腫が発症することを確認した。発症頻度を上昇させるために、c-Mycやp53+/-マウスとの交配を行い、発症の促進が認められるかどうかを明らかにした。また、トランスジェニックマウスの作製と同時に、レトロウイルスによる骨髄細胞に対する遺伝子導入法を用いて、Mafがん遺伝子とその他の遺伝子の相互作用を解析する系を確立し、遺伝子間の相互作用を解析することを目的とした。その結果、c-Mycやp53+/-の導入では、明らかな腫瘍発症促進効果は認められなかった。しかし、c-Maf単独過剰発現マウスでも安定した発症が認められるラインが確立できたため、ヒト骨髄腫のモデルとして十分であると考えられた。レトロウイルスによる遺伝子導入系も確立した。 2) 腫瘍随伴マクロファージにおけるMafがん遺伝子の機能解析 腫瘍の進展、転移には腫瘍随伴マクロファージが重要な機能を有していることが報告されつつある。Mafがん遺伝子の中で、MafBおよびc-Mafは血液細胞では主にマクロファージ系の細胞に発現しており、マクロファージサブタイプであるM2マクロファージにより高く発現している。腫瘍随伴マクロファージはM2サブタイプのマクロファージと考えられており、Mafがん遺伝子がその機能発現に重要な機能を果たしていると予想される。そこでMafBおよびc-Maf欠損マウスを用いて、腫瘍随伴マクロファージにおけるMafがん遺伝子機能を解析することを目的とした。また、正常のマクロファージにおける機能も同時に解析した。MafB欠損マウスは出生直後に死亡するのでとなるので、MafB欠損マウスの胎児肝臓細胞の移植を行ったマウスにLCC細胞を移植し、肺への転移数を解析した。MafB欠損マウスと野生型マウスとの間の統計解析を行っている。
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