2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 雅 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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Keywords | Tob / CCR4-NOT複合体 / 細胞死 / DNA損傷 / mRNA代謝 / deadenylase / IGFBP1 / 基礎エネルギー代謝 |
Research Abstract |
Tob複合体成分である、Tobタンパク質,CNOTタンパク質,Ndrキナーゼに関して以下の知見を得た。 (1)これまで、Low dose UV照射でapoptosisが誘導されないことの一因が、UV依存的にTobの発現量が上昇する所為であることを示してきた。このTobの発現量上昇に関与するメカニズムを探り、DNA損傷修復やクロマチンリモデリングに関わるとされているCDC7やHMGB1(high mobility group protein B1)の存在がTob分解を抑制していることを示した。HMGB1はUVによるDNA損傷修復に関わることが報告されており、Hmgb1欠損により突然変異率が上昇し、またapoptosisが誘導されることが報告されている。この作用はtob欠損でみられる現象と類似しており、TobとHMGB1が協調して機能していることを強く示唆している。 (2)Tobと会合するNdr2キナーゼの基質を、2次元ゲル電気泳動法と質量分析系により探索し、アクチン線維と相互作用するカルデスモン分子を有力な候補として同定した。カルデスモンは細胞運動に関与することが知られており、Ndr2欠損細胞でみられる細胞運動能低下の分子機構の一端を担う分子である可能性がある。さらに、HeLa細胞でNdr2の発現を抑制することにより、p27^<kip>の分解が加速され、G1期の進行が早まるという知見を得た。(3)TobとCCR4-NOTデアデニレースの機能相関を解析し、Tobならびにそのファミリー分子であるBTG2がin vitroではCNOT7やCNOT8のデアデニレース活性を抑制することを見いだした。一方デアデニレース反応はmRNA分解を促進するが、TobはmRNA分解の場であるP-bodyをmRNA分解がおこらないstress granuleに融合させうることを細胞レベルの予備的研究から示唆した。
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