2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺発がん機構におけるBRCA1、BRCA2遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
17013027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Keywords | 乳癌 / BRCA1 / BRCA2 / 中心体 / 中心体移行シグナル / γ-チューブリン |
Research Abstract |
現在まで、BRCA1およびBRCA2タンパクは核内に存在すると考えられてきた。しかし、BRCA2タンパクのC端付近にはnuclear localization signalとともにnuclear export signalが存在する。さらにこれまでに報告されたBRCA2結合タンパクについても、われわれが同定した前述の結合分子についても細胞質に局在するものが認められる。また、BRCA2は細胞周期のG2-M期に発現が高いという報告があるが、G1-S期やその他の時期に発現しているのかどうかなどは明らかにされていない。今回、我々は、BRCA2の新しい作用機序の可能性を明らかにした。細胞周期に依存したBRCA2の細胞内の局在を間接蛍光抗体法で観察した際、BRCA2はG1、S期特異的に核以外に核近辺に1つ、もしくは2つドット状に局在することを観察した。この局在は、中心体性チューブリンのγチューブリンの局在と一致した。免疫沈降法により、両タンパク質は、相互作用することを確認し、一部のBRCA2は中心体に移行することが示唆された。そこで、BRCA2の中心体への移行メカニズムを明らかにするため、中心体移行シグナルの候補領域をGFPと融合させてHeLa細胞で発現させたところ、中心体に移行することが観察された。この結果、BRCA2には中心体移行シグナルが存在し、G1、S期に中心体に移行することが示唆された。現在、BRCA2の中心体への移行を阻害した際、細胞にどのような影響を及ぼすのか詳細に検討している。BRCA2の新しい作用機序の分子レベルでの理解が、散発性乳癌における本タンパク質の関与を明らかにする可能性が考えられる。
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Research Products
(6 results)