2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺発がん機構におけるBRCA1、BRCA2遺伝子の機能解析
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17013027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Keywords | 遺伝性乳癌 / BRCA1 / BRCA2 / 中心体 / 中心体複製 / Plk1 / リン酸化BRCA2 / 細胞質分裂 |
Research Abstract |
BRCA2タンパク質は、遺伝性乳癌の原因遺伝子BRCA2をコードするタンパク質であり、DNA修復、細胞質分裂、および中心体の複製などに関与することが報告されている。BRCA2が中心体に局在して、中心体の複製、およびそのポジショニングに影響を及ぼすことを同定した。さらにS期の中心体の複製過程からM期前期の中心体の移動までのBRCA2の局在の変化を観察した結果、S期、中心体が1つの時、BRCA2は中心体の周りを取り巻くように局在するがその密度は低く、中心体が2つになり始めると、BRCA2は2つの中心体の間に局在し、完全に2つに分かれるとBRCA2は高い密度で両中心体の周りに局在した。M期前期になると中心体は、核膜に沿うように移動するが、BRCA2は中心体と核膜の間に局在し、中心体の移動にBRCA2が関与している可能性が示唆された。現在、M期の中心体の移動にBRCA2がどのように関与しているのか詳細に検討している。 また、BRCA2は分裂期キナーゼのpolo-like kinase 1(Plk1)によってリン酸化を受けることが報告されているが、リン酸化されたBRCA2の機能については不明である。そこでPlk1によってリン酸化されたBRCA2が細胞質分裂に関与している可能性を仮定して研究を進めた。Plk1によってBRCA2のリン酸化が報告されているSer^<193>のリン酸化部位に対するポリクローナル抗体を作製しリン酸化BRCA2の局在を解析した。その結果、G1、S期にその局在は観察されなかったが、細胞質分裂の中間体(mid-body)に特異的に局在することが観察された。この局在は、Plk1の局在と一致し、Plk1によってリン酸化されたBRCA2が細胞質分裂に関わっている可能性を示唆した。
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Research Products
(10 results)