2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺発がん機構におけるBRCA1、BRCA2遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
17013027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三木 義男 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Keywords | 遺伝性乳がん / BRCA1,BRCA2 / DNA損傷修復 / 中心体制御 / Plectin / NMHC IIC |
Research Abstract |
遺伝性乳癌の原因遺伝子産物であるBRCA2は、細胞周期のS期にDNA修復に関与する。また、細胞周期のG1/S移行期からM期前期にかけて中心体の周りを取り巻く様に局在する。細胞質分裂に入ると、BRCA2はミッドボディに局在する。そこで、細胞周期の各時期における役割を明らかにして、BRCA2が乳癌の発症にどのように寄与しているのか解明した。 1、BRCA2はPlectinとともに中心体の局在を制御する;我々はBRCA2-plectin複合体が中心体の局在制御に関与している可能性を得た。そこで、Plectinをリン酸化させて、架橋構造を喪失させると、中心体は核から解離した。また、BRCA2-plectinの相互作用阻害やsiRNAによる両タンパク質の発現抑制によっても同様の中心体局在変化が観察された。これらの結果より、BRCA2-plectin複合体は中心体の局在制御において重要な役割を果たしていることを示した。 2、BRCA2の細胞質分裂での機能解析;BRCA2が細胞質分裂のmid-bodyに局在すること、ヒト非筋肉II型ミオシン(NMHC IIC)が、mid-bodyに局在して細胞質分裂に関与していることを明らかにした。そこで、両タンパク質の結合を明らかにして、さらにA549細胞でsiDNAによってBRCA2およびNMHC IICの発現を抑制させた結果、mid-bodyの伸長化や形態異常・二核細胞の増加を検出した。以上ことから両タンパク質の細胞質分裂への関与は、癌細胞での多核化細胞の増加にも関与している可能性が示唆され、さらなる検討を行っている。 3、BRCA2に結合する新規分子の探索によるDNA損傷修復機構の解明;抗BRCA2抗体による共免疫沈降物の質量分析、相同組換え効率を定量化するDR-GFP実験系により、BRCA2と同様に相同組換えに関与する相互作用分子を特定した。
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Research Products
(5 results)