2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復機構の、逆遺伝学的手法(ニワトリ細胞株とメダカ)による機能解析
Project/Area Number |
17013039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 俊一 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (60188191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 善仁 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00324616)
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Keywords | 癌 / ゲノム / 細胞・組織 / バイオテクノロジー / 放射線 |
Research Abstract |
(1-1) CTIPの機能解析 CTIPは、BRCA1(家族性乳がん原因遺伝子で相同組み換えに関与)と結合する。CTIP完全欠損細胞とBRCA1と結合できないCTIP S332A発現細胞とを作った。そしてCTIPが、BRCA1依存的およびBRCA1非依存的に機能するDNA修復をそれぞれ解明することを試みた。以下の2点を解明した:(i) CTIPがBRCA1非依存的に相同組換えの最初のステップに機能する。(ii) CTIPがBRCA1依存的に、トポイソメラーゼポイズンと呼ばれる抗がん治療薬によって生じた2重鎖切断(切断端にトポイソメラーゼが共有結合)を修復するのに特異的に関与(共有結合したポリペプチドを除去)する。この研究成果は、PLoS Geneticsに発表した。 (1-2) SSB1とSSB2の機能解析 SSB1-/-細胞とSSB2-/-細胞とをそれぞれ作製した。これからSSB1-/-/SSB2-/-2重遺伝子破壊細胞を作製する予定である。 (2) エトポシドによって生じたDNA損傷の修復経路の解明 エトポシドは、トポイソメラーゼIIポイズンと呼ばれる抗がん剤であり、5'切断端にトポイソメラーゼが共有結合2重鎖切断を作る。この2重鎖切断を修復するには、通常の2重鎖切断修復経路(非相同末端結合)の他に、BRCA1、CTIP、RAP80、Tdp2が関与して2重鎖切断を修復することを解明した。 (3) P53の変異抑制効果の解析 P53遺伝子破壊メダカ(F2)を飽和変異法によって作製した。飽和変異法は、P53遺伝子以外の遺伝子(約20種類)も破壊されている。P53遺伝子以外の破壊遺伝子を除去するために、P53遺伝子破壊メダカを野生型メダカに10回戻し交配した。その結果できたP53遺伝子破壊メダカ(F10)は、F2よりも発がん率が低下していたが、野生型メダカよりは発がん率が高いことを確認した。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Collaborative action of Brcal and CtIP in elimination of covalent modifi cations from double-strand breaks to facilitate subsequent break repair.2010
Author(s)
Nakamura K, Kogame T, Oshiumi H, Shinohara A, Sumitomo Y, Agama K, Pommier Y, Tsutsui KM, Tsutsui K, Hartsuiker E, Ogi T, Takeda S, Taniguchi Y.
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Journal Title
PLoS Genet. VOL.6
Pages: e1000828
Peer Reviewed
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