2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 賢志 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80124577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 純也 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (30301302)
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Keywords | ナイミーヘン症候群 / 毛細血管拡張性運動失調症 / NBS1 / ATM / チェックポイント / DNA二重鎖切断 / 複製ストレス / がん化 |
Research Abstract |
がん遺伝子の活性化や環境変異により発がんへの刺激を常に受けているヒト組織細胞が、がん化しないのは正常細胞から癌細胞には大きなバリアーがあると信じられている。このバリアーがATMキナーゼ/Chk2/p53経路による、増殖制御およびアポトーシス誘導であることが最近示された(Bartkova, Nature2005)。ATMの活性化にはナイミーヘン症候群の蛋白NBS1が必要であることが知られている。そこでNBS1とATMの関係を明らかにするために、ATM結合領域を含むNBS1変異体を用いて電離放射線誘発DNA二重鎖切断発生時の相同組換え修復やチェックポイントにおける役割を解析した。この結果、ATM結合領域は相同組換え修復に必要ないが、A-T、NBS1がチェックポイント制御に必要であることが示された。ATMの損傷部位への集結にはNBS1が必要であることから、NBS1が損傷認識の上位にあって修復とチェックポイントに機能していることが示唆された。この反応には、ATMと結合するNBS1C末側と損傷部位のクロマチンに結合するN末側が必須である。一方、がん化には複製フォークの停止をもたらす複製ストレスが大きく寄与することから、紫外線損傷時におけるNBS1の動態を解析した。その結果、NBSLのN末側は蛋白集結に必須でなく、DNA二重鎖切断への細胞応答の機構が異なることが示唆された。
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