2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム安定性を維持するスピンドルチェックポイントの分子機構
Project/Area Number |
17013044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 智裕 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80212223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土生 敏行 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (70346071)
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Keywords | スピンドルチェックポイント / Mad2 / オーロラキナーゼ / 染色体配分 |
Research Abstract |
染色体数の不安定性は、ガン発生・進行と深い関わりがある。染色体分配の監視機構であるスピンドルチェックポイントは、その欠損により染色体数の不安定性を引き起こす。本研究では、このチェックポイントの中枢分子であるMad2に注目し、この活性を制御するシグナル伝達系の解明を目指している。 p31cometはMad2タンパク質に結合し、その高発現がスピンドルチェックポイントを強制的に解除することなどから、スピンドルチェックポイントの解除過程に機能しているものと推察している。前年度はp31cometに結合するタンパク質としてダイニン中間鎖を同定し、ダイニン中間鎖を欠損する細胞では有糸分裂中期で細胞周期が停止することを示した。18年度は、ダイニン欠損細胞で見られる細胞周期の停止がMad2-依存的であること、さらにp31cometの高発現では解除できないことを示した。これらの結果はp31cometがスピンドルチェックポイントを解除するためにはダイニン中間鎖が必須であることを示唆するものである。おそらくp31cometはダイニン中間鎖の上流因子として機能しているものと考えられる。 なお、今年度はp31cometが腫瘍抑制遺伝子産物であるp53と物理的相互作用することを発見した。その生物学的意義について研究が進行中である。
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[Journal Article] A defect in protein farnesylation suppresses a loss of Schizosaccharmyces pombe tsc2+, a homolog of human gene predisposing tuberous sclerosis complex (TSC)2006
Author(s)
Nakase, Y., Fukuda, K., Chikashige, Y., Tsutsumi, C., Morita, D., Kawamoto, S., Ohnuki, M., Hiraoka, Y., Matsumoto, T
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Journal Title
Genetics 173
Pages: 569-578