2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013053
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
花岡 文雄 Gakushuin University, 理学部, 教授 (50012670)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / ゲノム / DNAポリメラーゼ / ノックアウトマウス / 分裂酵母 |
Research Abstract |
研究代表者らは、損傷乗り越え複製(translesion synthesis : TLS)機構を総合的に理解し、その発がんおよび発がん防御における役割を明らかにすることを目的として、以下に述べる研究を行った。 1. これまでにPolη単独あるいはPolη/Polι二重欠損マウスにおいて、紫外線による皮膚がんの高い誘発が見られたので、発がんの機序を調べるため各遺伝子型マウスとゲノム上に大腸菌rpsL遺伝子を有するトランスジェニックマウスとを掛け合わせ、その部位における変異スペクトルを観察した。その結果、各遺伝子型マウスとも、UV-Bの照射により突然変異発生頻度が上昇し、特にPolη単独欠損マウスでは野生型マウスに比べ約13倍高い突然変異率を示した。一方、Polι乙欠損マウスでは、野生型と有意な差はみられなかった。Polη/Polι二重欠損マウスでは野生型マウスに比べ高い突然変異率を示したが、Polη単独欠損マウスのそれよりは低く、PolιはPolηが欠損すると紫外線による突然変異を誘発する機構の一部に関与することが示された。変異のスペクトルの解析から、Polηが欠損すると、紫外線損傷が主に生じる部位てあるジピリミジン部位での塩基置換の発生頻度が著しく上昇することが示された。特にG:C→ T:Aトランジションが高頻度で起き、Polη/Polι二重欠損マウスではG:C→T:Aトランジションの発生頻度が低下した。 2. 分裂酵母におけるTLSポリメラーゼ問の相互作用を調べるために、染色体上のeso1、rev1およびrev7遺伝子にタグを導入した細胞を作成した。これらを用いた実験の結果、Eso1とRev7の結合はS期に入ると増加し、紫外線を照射するとさらに増加した。このとき、S期に増加したEso1とRev7の結合はRev1依存的であった。
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Research Products
(4 results)