2005 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物の染色体複製における複製フォークの機能とその制御
Project/Area Number |
17013054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和賀 祥 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (60222402)
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Keywords | DNA複製 / pre-RC形成 / アフリカツメガエル卵抽出液 / 複製開始因子 / MCM / ORC |
Research Abstract |
本年度は、特に複製開始因子の機能解析から下記のような新しい知見が得られた。本解析は、プラスミドを固定化したマグネチックビーズを鋳型としたアフリカツメガエル卵in vitro DNA複製系を利用した。その結果、DNAおよびORC依存的にMCM2-7複合体がプラスミド上に結合し、この結合はgemininによってほぼ完全に阻害された。したがって、プラスミドビーズ上においてもpre-replicative complex(pre-RC)が形成されることが示唆される。さらにその結合量を定量した結果、プラスミド1分子にORC約1分子、そして約10-20分子のMCM2-7が結合することがわかった。この結合モル比は既に報告されている精子クロマチンを鋳型に使った場合とほぼ同じ値であることから、in vivoと同じようなメカニズムでpre-RCがプラスミドに形成されていると考えられる。一方、gemininを加えた場合、MCM結合とともに、ORC、CDC6、CDT1の結合量が10-20倍増加することが分かった。このORC、CDC6、CDT1の増加はgeminin非存在下、0℃でインキュベートした場合でも検出され、引き続き23℃に移すと直ちにMCMのプラスミドビーズへの結合と相関するようにORC、CDC6、CDT1のDNAからの解離が起こった。これらの結果は、ORCがDNAに結合した時にDNAにロードできるMCM2-7の分子数は1-2分子で、ロードされるMCMの総量はORCのDNAへの結合頻度によって決まる可能性を示唆する。したがって、今後ORCのDNA結合に影響を及ぼすシス、トランス因子を調べることが、真核生物の複製開始点の形成ならびにその活性調節を明らかにするために重要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)