2006 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物の染色体複製における複製フォークの機能とその制御
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17013054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和賀 祥 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (60222402)
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Keywords | DNA複製 / 複製フォーク / 複製開始点 |
Research Abstract |
複製開始点の分子機構およびその活性制御機構の解明に向け、本年度は、複製開始因子ORCのDNAへの結合とそれに引き続き起こる複製開姶複合体(pre-RC)形成に影響を及ぼすと考えられる様々なシス、トランス因子についての解析を、環状プラスミドを鋳型としたアフリカツメガエル卵in vitro DNA複製系を用いて進めた。注目した因子は、鋳型DNA上に存在するヌクレオソーム構造、DNAのCpGメチル化ならびにヘテロクロマチン形成因子HP1である。先ず、ヌクレオソーム構造については、その構造が阻害的に働くという予想に反し、ORCのDNA結合量および形成されるpre-RCの量にヌクレオソームの有無による変化はほとんど認められなかった。鋳型DNAのCpGメチル化については、高密度のCpGメチル化がORCのDNA結合の減少に導くという他グループによる論文発表があるものの、我々の解析結果はそれとは一致せず、CpGメチル化による影響は特に認められなかった。そして、HP1については、アフリカツメガエルHP1の3種のアイソフォームいずれも免疫沈降法においてカエルORCと共沈降することが確認された。しかし、HP1過剰存在下でも、ORCのDNA結合ならびにpre-RC形成に対するHP1の影響は特に認められなかった。これと平行して、HP1クロマチン結合の経時的変化を調べたところ、DNA複製の完了後にHP1結合の顕著な増加がみられたが、その増加とトリメチル化K9ヒストンH3レベルの変動との間には相関関係は認められなかった。このことは、トリメチル化K9-H3以外の因子が関与するHP1ローディング機構の存在を強く示唆する。
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Research Products
(3 results)