2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA・RNA脱メチル化酵素PCA-1の発現・変異と前立腺癌発症
Project/Area Number |
17013058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山元 弘 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (50127312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 和丈 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (10207376)
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Keywords | 脱メチル化酵素 / 前立腺癌 / 発がん / アポトーシス / アルキル化剤 / ユビキチン |
Research Abstract |
研究計画:1,正常細胞におけるPCA-1の機能解析を進めるため,遺伝子ならびに蛋白質の発現を検討する.2,前立腺癌臨床検体を用いてPCA-1の遺伝子変異の解析を進め,臨床所見とともにデータベースの構築を開始する.3,PCA-1変異体の生化学的酵素活性の解析と遺伝子導入細胞の表現型との関連性を明らかにし,前立腺癌発症機構解明に新知見を与える. 研究成果:PCA-1の正常ヒト臓器での発現をRT-PCRにより検討した結果,調べた15種類の臓器全てにおいて遺伝子レベルでの発現が認められた.また最も顕著な発現が認められた睾丸においては,蛋白質レベルでのPCA-1の発現も確認した.前立腺癌臨床検体から作成したcDNAを用いた解析によりPCA-1遺伝子に種々の変異体が存在することを明らかにした.その知見と臨床所見を合わせたデータベースの構築を開始した.一方,それらPCA-1の変異体の酵素活性の変化は,現在まで認められていない.しかしPCA-1の2-oxoglutarate-Fe(II)oxygenaseドメインを欠失したPCA-1選択的スプライシング体においては,アルキル化剤による細胞障傷害を救済できないことを突き止めた.このことは,このドメインが脱アルキル化活性を担っていることを初めて示すものとなった.PCA-1の発がんにおける機能としてTRAILによるがん細胞のアポトーシスシグナルを抑制することが示された.その機構として,Flice-inhibitory protein(FLIP)のユビキチン化阻害ならびにmRNA発現誘導が関与していることを突き止めた.
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