2006 Fiscal Year Annual Research Report
INK4A/ARF遺伝子座の染色体レベルでの発現調節と細胞老化における役割
Project/Area Number |
17013064
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原 英二 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (80263268)
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Keywords | INK4A / ARF遺伝子座 / p16^<INK4a> / 可視化 / 染色体 / 発癌ストレス / 加齢 / p14^<ARF> / ルシフェラーゼ |
Research Abstract |
INK4A/ARF遺伝子座には2つの重要な癌抑制遺伝子であるp16^<INK4a>遺伝子とp14^<ARF>遺伝子が一部重複してコードされており、その発現は染色体構造の変化によって精密に調節されている。また、これら遺伝子の発現は細胞培養によるストレスによっても影響を受けることが知られている。このため、これら遺伝子の発現調節機構を解明するには培養細胞ではなく生体内での発現解析が必要である。本研究では、Bacterial Artificial Chromosome(BAC)ベクターに組み込まれた完全長のINK4A/ARF遺伝子座を含む染色体断片を改変することにより、p16^<INK4a>遺伝子の発現をルシフェラーゼ活性としてモニターできるベクターを構築し、そのベクターをもつトランスジェニックマウスを作成した。作成したトランスジェニックマウス(p16-BAC-luc mouse)を用いて、生体内化学発光を測定した結果、発光強度がマウスの内在性p16^<INK4a>遺伝子の発現を良く反映していることを確認した。このことはp16-BAC-luc mouseを用いることにより、p16^<INK4a>遺伝子のマウスの生体内における発現をリアルタイムに可視化・計測出来ることを示している。現在、p16-BAC-luc mouseに様々な発癌ストレスを与えた場合や、加齢の過程でのp16^<INK4a>遺伝子の発現動態を詳細に解析している。更に、INK4A/ARF遺伝子座に変異を導入した染色体断片を用いて同様のトランスジェニックマウスを作製中であり、これらのマウスを用いることによりp16^<INK4a>遺伝子の染色体レベルでの発現調節機構を解析する予定である。
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