2009 Fiscal Year Annual Research Report
INK4A/ARF遺伝子座の染色体レベルでの発現調節と細胞老化における役割
Project/Area Number |
17013064
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
原 英二 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌研究所がん生物部, 部長 (80263268)
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Keywords | INK4A / ARF遺伝子座 / p16^<INK4a> / イメージング / 染色体 / 発癌ストレス / 加齢 |
Research Abstract |
INK4A/ARF遺伝子座には2つの重要な癌抑制遺伝子であるp16^<INK4a>遺伝子とARF遺伝子が一部重複してコードされており、それら遺伝子の発現は染色体構造の変化によって精密に調節されている。しかしその発現制御メカニズムの実体については殆ど明らかにされていない。我々はこれまでBacterial Artificial Chromosome (BAC)ベクターに組み込まれた完全長のINK4A/ARF遺伝子座を含む染色体断片を改変することにより、p16^<INK4a>遺伝子の発現をマウスの生体内でしかも染色体レベルでリアルタイムに解析出来る新しいレポーターシステムの開発に成功した。本研究では、これらのシステムを用いてこれまで解析が困難であったINK4A/ARF遺伝子座の染色体レベル及び個体レベルでの発現調節機構の解明とその破綻による発がんメカニズムを解明することを目的としている。本年度はマウスの皮膚においてras遺伝子が活性化するとDNMT1の発現が低下することでp16^<INK4a>遺伝子プロモーター周囲のピストン3リジン9のメチル化が外れることによりp16^<INK4a>遺伝子の発現レベルが上昇することを見出した。また、同様の現象がp53を欠損させた場合にも起こることを見出し、p53によりp16^<INK4a>遺伝子の発現が負に調節されていることを明らかにした。このことは、生体内において、もし、p53が失活した場合にはp16^<INK4a>遺伝子の発現レベルが上昇することで発癌を防御している可能性を示唆している。これらの結果は、p16^<INK4a>遺伝子の発現制御機構をより明らかにしただけでなく、p16^<INK4a>がp53のバックアップ癌抑制遺伝子として癌抑制を担っていることを示しており、癌抑制機構の解明に大きく貢献した。
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Research Products
(5 results)