2005 Fiscal Year Annual Research Report
胃がん発症関連遺伝子のゲノム的解析と分子病態の解明
Project/Area Number |
17013066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60274528)
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Keywords | 胃がん / ゲノム / 連鎖 / 相関 / 2番染色体長腕 / 21番染色体長腕 |
Research Abstract |
我が国における胃がんは、罹患率・死亡率の減少を認めるものの、未だに死亡の主要原因疾患である。胃がんの発症には、複数の遺伝要因と環境要因の多段階にわたる相互作用が関与する。本申請課題では、これまでの罹患同胞対全ゲノムアプローチにより得られた胃がん発症に関連する候補染色体4領域の解析を推し進め、特に高いLOD値が得られた2番染色体に位置する遺伝子多型解析、既に相関検定が終了し胃がんとの関連が示唆された21番染色体に位置するSTCH遺伝子、そして候補遺伝子アプローチによって同定されたATM遺伝子アイソフォームの機能解析を実施している。(1)2q33-34領域約20Mbに存在する約200遺伝子の中から、がん発症との関連が示唆されるDNA修復酵素やがん遺伝子、がん抑制遺伝子などを選択し、遺伝子多型と患者群との相関解析を進めた。これまで23遺伝子について、遺伝子領域に位置するマーカーSNPおよびマイクロサテライトマーカーを用いた相関解析が終了し、DNA修復酵素であるXRCC5に有意な相関を認めた。(2)STCH安定発現細胞株を樹立すると同時に、酵母2ハイブリッドにより2種類の結合分子を同定した。またSTCH導入細胞ではDeath ReceptorやERストレスに対する細胞死感受性が亢進しており、細胞死のシグナル伝達におけるSTCH分子の関与が示唆された。(3)ATMアイソフォームがキネトコア形成分子と相互作用することを明らかにした。
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