2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNAプライマーゼGANPの発癌における機能の研究
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17013069
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
阪口 薫雄 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70192086)
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Keywords | 胚中心 / 細胞 / ホジキン病 / 乳癌 / プライマーゼ / 転移 / 病理診断 / がん抑制分子 |
Research Abstract |
乳がん臨床検体(92症例)を用いて解析した。GANPの発現はこれまでリンパ組織の胚中心で発現が上昇する事が明らかになっていた。正常の乳腺組織を調べると、GANP分子の発現が周辺の組織や細胞と比較して際立って亢進していた。しかし、乳がん発症とともにその発現が著しく低下し、その発現低下が乳がんの悪性度と相関することが確認された。ERαやPgRの発現が低下している症例、リンパ節転移を有する症例など悪性度の高い症例ではGANP分子の発現が低下しており、予後判定の際の指標となる事が明らかになった。gang遺伝子の構造の変化がsporadicな乳がん発症例において約20%の頻度で検出された。このmRNA variationのホットスポットが国際的に用いられている乳がん細胞株でも検出するのかについて調べたところ、細胞バンクに登録されている細胞株7例の約20%にも同様に検出された。さらに、GANPの減少がどのような機序で乳がんの発癌、がん細胞の進展と関わるのかを解析した。siRNAによるGANPのノックダウンを行いがん化関連遺伝子群の発現を抗体アレイで調べた。発現低下タンパク4種類、発現上昇タンパク4種類を特定し、Real-time RT-PCR、ウェスタンブロット解析を行った。同時に遺伝子変異をp53、BRCA1、BRCA2について解析した。期待に反して遺伝子変異はAIDと関連するWRCモチーフにおいても、その他の箇所においても変化が無かった。さらにGANPの発現低下による乳がん発症は突然変異誘導によるものではなく、染色体の修復機能の低下によることが示唆された。
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