2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013071
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中尾 光善 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00217663)
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Keywords | がん / ゲノム / 遺伝子 / 発現制御 / DNAメチル化 / メチルDNA結合タンパク質 / クロマチン |
Research Abstract |
[1]メチル化DNA結合タンパク質の複合体と癌関連性の解析 ゲノムのメチル化はメチル化DNA結合タンパク質(MBD)で認識されることで、転写抑制やクロマチン形成、ゲノム安定性に寄与する。MBD1の転写抑制ドメインに相互作用するMCAF1,MCAF2の同定、その生理機能と発がん関連性について検討した。MBD1-MCAF1-SETDB1(ヒストンメチル化酵素)複合体がヘテロクロマチン形成と転写抑制に働くことを報告した。MCAF1/2に対するsiRNAによるノックダウン、メチル化されたp16およびp53BP2遺伝子プロモーター上での局在をクロマチン免疫沈降法で明らかにした。 [2]クロマチンインスレーター複合体の癌関連性の解析 核内のゲノムは多数のドメインに区画されることで、個々の遺伝子に固有の発現制御がなされている。ドメイン間の境界配列(インスレーター)はインスレーター結合タンパク質CTCFで認識されている。CTCF複合体による細胞制御と発がん関連性を明らかにするために、CTCFに対する結合因子を酵母2ハイブリド法で同定して、細胞内およびin vitroの相互作用を検討した。インスレーター機能、癌関連遺伝子の発現に関連することが判明した。 [3]翻訳後修飾による癌関連タンパク質の機能制御の解析 細胞の増殖分化に関わる転写因子Sox2に関して、SUMOによる修飾制御に焦点を当てて解析した。哺乳類細胞および大腸菌内でのSUMO化アッセイ、SUMO化できない変異体の機能変化、細胞制御への影響等を検討した。また、Sox2を発現する胃癌細胞株でのSUMO修飾を調べた。 [4]細胞核構造の生理と癌病態の解析 ヒト培養癌細胞株を用いて、DNAメチル化システム、クロマチン関連分子、核構造タンパク質の発現をウエスタンブロットおよび免疫染色法で発現と細胞内局在を検討した。
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Research Products
(8 results)