2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17013071
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中尾 光善 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 教授 (00217663)
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Keywords | がん / ゲノム / 遺伝子 / 発現制御 / DNAメチル化 / クロマチン |
Research Abstract |
1.メチル化DNA結合タンパク質複合体と癌関連性の解析 メチル化DNA結合タンパク質MBDlは、癌抑制遺伝子の転写抑制、ヘテロクロマチン形成に関わっている。メチル化DNA領域でMBDl-MCAFl-SETDBl複合体がヒストンH3の9番目リジンのトリメチル化を行うことを報告している。MBDl複合体がヒストンH3の27番目リジンのメチル化に関わるポリコーム複合体と協働すること、DNAメチル化とポリコーム複合体が癌細胞のHoxA遺伝子群の発現異常に関わる機構を報告した。また、細胞周期におけるポリコーム複合体の制御機構について検討した。 ゲノム上のドメイン間の境界配列(インスレーター)は、インスレーター結合タンパク質CTCFで認識されている。全ゲノムのChip-on-chip解析を契機として、CTCFが染色体結合に働くcohesinと協働して、インスレーター機能を果たすことを報告した。また、複数種の癌細胞株でCTCFおよびcohesinのエピゲノム解析を行い、癌関連遺伝子の発現制御に関わることを見出した。 3.構造的クロマチン因子HMGAlの癌関連性の解析 幹細胞で発現するHMGAlは分化とともに発現が抑制されるが、多くの癌細胞で再発現が認められて、癌の悪性化と相関している。HMGAlがRB癌抑制タンパク質による細胞性GO停止を阻害することを報告した。HMGAlを持続的に高発現する細胞にGO誘導を行うと、分裂異常と核構造異常を生じることを示した。 2.クロマチンインスレーター複合体の癌関連性の解析。
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Research Products
(9 results)