2005 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物を用いた多段階発がん研究:腎発がんの遺伝情報システム
Project/Area Number |
17013076
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
樋野 興夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (90127910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏之 順天堂大学, 医学部, 講師 (40260070)
梶野 一徳 順天堂大学, 医学部, 助手 (80260066)
百瀬 修二 順天堂大学, 医学部, 助手 (70360344)
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Keywords | 遺伝性がん / 癌化遺伝子 / 多段階発がん / 分子標的治療 / 遺伝子発現 / TSC遺伝子 / Bhd遺伝子 / ERC遺伝子 |
Research Abstract |
個体レベルで、リファインされたユニークな疾患モデル(特に腎がんモデル)を用いて、「遺伝情報システム異常と発がん」を発がんの起始遺伝子を起点とした遺伝子ネットワークの異常ととらえ(発がんの連盟的首位性の分子機構の解明)、その特異点の分子を解析し、ヒトがんの治療に資する。 Tsc 2 mutant(Eker) ratに対するrapamycin(mTOR阻害剤)の効果を確認した。重要なことに、mTORとは異なるsignalの存在することも明らかにした。また、発がん過程に高発現してくる、新規NibanおよびErc遺伝子を発見し、そのknockoutマウスの作製に成功し、機能解析を進めている。Erc遺伝子産物は血中に分泌されることが明らかとなり、ELISA測定系を開発した。腫瘍マーカーとしてEker ratの血液診断が可能となった(投稿中)。ヒトELISA測定系も開発した(投稿中)。正常では、ラット、ヒトとも、中皮細胞特異的遺伝子であることが判明し、最近の大きな社会問題である「アスベスト・中皮腫」の血液検査でも注目されている。 Nihonラットの原因遺伝子(Bhd遺伝子;新規の腎がん抑制遺伝子)の同定に成功した。BhdがNihonラットの原因遺伝子であることを最終的に証明すると共に、個体レベルでBhd遺伝子の機能を解析する実験系を確立するため、野生型Bhdトランスジェニックラット(Bhd遺伝子プロモーターによる発現系)の系統を樹立した。導入遺伝子により、NihonラットのBhdヘテロ変異体の腎発がんとホモ変異体の胎生致死が完全に抑制されることがわかった(in press)。
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Research Products
(7 results)