2009 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物を用いた多段階発がん研究:腎発がんの遺伝情報システム
Project/Area Number |
17013076
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
樋野 興夫 Juntendo University, 医学部, 教授 (90127910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏之 , 医学部, 准教授 (40260070)
梶野 一徳 , 医学部, 助教 (80260066)
百瀬 修二 , 医学部, 准教授 (70360344)
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Keywords | 遺伝性がん / 癌化遺伝子 / 多段階発がん / 分子標的治療 / Niban遺伝子 / TSC遺伝子 / Bhd遺伝子 / ERC遺伝子 |
Research Abstract |
1.TSC遺伝子変異におけるmTOR以外のsignal pathwayの同定:N525S(mTOR経路を抑制する活性を保持する)変異とG1556S(mTOR経路を抑制する能力を失う)変異を持つ導入遺伝子(Tg)のトランスジェニック・ラットの作製を進めたところ、N525S型変異Tgラットでは胎生致死、G1556S型変異Tgラットでは腎発がんを抑制する知見を得た。ラパマイシン感受性経路に関連しないtuberinの機能的側面、さらにトランスジェニック・Ekerラットを用いて、病態発生にどのように関わっているのかの解明を進めた。 2.新規の腎がん抑制遺伝子Bhdの遺伝子機能の解析を進めた:in vitroキナーゼアッセイを行い、ラットBhdタンパクがAMPキナーゼの基質となること、そのリン酸化部位は199番目から385番目のアミノ酸の間にあることを見出した。その部位の最終的な決定を進めた。RNAi法によるTsc2抑制実験とTsc2欠損細胞へのTsc2発現導入実験を用いて、Tsc2が発現している場合Bhdのリン酸化が抑制されていること、リン酸化はJNKの阻害剤であるSP600125によって阻害されることがわかった。mTORの下流とJNKの下流のシグナル伝達の解明を進めた。 3.Erc遺伝子産物の機能:Tsc2 KOマウスの腎腫瘍の増殖がErcのホモ変異により著しく抑制される傾向を示した。Erc遺伝子とシグナル伝達との関連を解明を進めた。Erc遺伝子産物に対する抗体を作製、抗体治療を試みた。 4.新規のERストレス蛋白であるNibanの発がんにおける役割のい検討:NibanはERストレスによって発現される一方で、ストレスによる蛋白翻訳抑制に拮抗する、ある種の負のフィードバック機構の一員として働いている可能性が考えられた。ストレス環境下にNibanの細胞の生存に与える役割を調べた。
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Research Products
(6 results)