2006 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化によるがん関連遺伝子産物の機能制御機構の解析
Project/Area Number |
17013078
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西田 有 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助手 (50287463)
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Keywords | がん / SUMO / 転写因子 / がん遺伝子 / ユビキチン / 転写制御 |
Research Abstract |
がん関連遺伝子産物のSUMO化による制御を明らかにすることを目的とし、転写因子Ets-1のSUMO化については昨年度までに明らかにしたが、本年度はさらにユビキチン-プロテアソーム系による分解による制御を解析した。Ets-1の特異的SUMO-E3リガーゼとして同定したPIASyの過剰発現はEts-1のSUMO化非依存的、PIASyのSUMO-E3リガーゼ活性非依存的にEts-1のプロテアソームによる分解を抑制し安定化した。さらにPIASyのsiRNAによるノックダウンにより内在性Ets-1のタンパク質量の減少が認めたれた。興味深いことにPIASyはEts-1のユビキチン化自身には影響せず、ユビキチン化されたEts-1のプロテアソーム分解による分解を抑制すると考えたられた。このようにPIASyはSUMO化を介さない系によってもEts-1の機能を制御していることを明らかにした。 さらに本年度は核小体SUMO-2/3特異的脱SUMO化酵素SMT3IP1,3(IP1,3)について解析を行い、これらが核小体タンパク質Nucleophosmin(NPM/B23)との相互作用することを明らかにした。IP1,3ともにARF依存的なNPMのSUMO-2/3化に対して特異的に脱SUMO化活性を示し、IP1の不活性型変異体はその過剰発現によりCOS7,U2OS,HeLa細胞においてドミナントネガティブ効果を示し、ARF非依存的にSUMO-2化を促進した。不活性型変異体によるNPMのSUMO-2化はIP1とNPMの安定的な相互作用に依存したが、活性型のNPMの脱SUMO-2化活性は核小体局在、相互作用に依存しなかった。以上の知見は、現在不明であるNPMのSUMO化の役割、核小体局在依存的なARFによるSUMO化促進機構の解明に寄与すると考え現在解析を進めている。
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Research Products
(2 results)