2009 Fiscal Year Annual Research Report
染色体安定性と発がん抑制に関わるファンコニ貧血原因遺伝子群の機能解析
Project/Area Number |
17013083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 穣 Kyoto University, 放射線生物研究センター, 教授 (30281728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 純也 京都大学, 放射線生物研究センター, 研究員 (50511367)
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Keywords | DNA修復 / シスプラチン / ファンコニ貧血 / FANCD2 / FANCI / モノユビキチン化 |
Research Abstract |
ファンコニ貧血(FA)は好発がん性、骨髄不全などを示す遺伝性疾患で、細胞レベルでは、染色体不安定性と、マイトマイシンC (MMC)などのDNAクロスリンカー剤に対する高感受性が特徴的である。これまでに13の原因遺伝子(FancA/B/C/D1/D2/E/F/G/I/J/L/M/N)が同定された。FA経路によるDNA修復には、多数の遺伝子産物から構成されるコア複合体により、FANCI/FANCD2複合体がモノユビキチン化されることが必須である。その後、FANCI/FANCD2複合体はクロマチン移行してフォーカス形成し、DNA修復を行う。 1. FANCD2コンディショナル細胞を作成し、それをもとにしてFANCIとダブルノックアウト細胞の作成を行った。シスプラチンなどの感受性から判断して、両者はDNA修復においてエピスタシスを示すと判断された。この細胞にGFP、RFPとそれぞれ融合したFANCD2、FANCIを発現させたところ予想通り高度な共局在を示した。FANCD2のユビキチンとの融合タンパクを発現させても、クロマチンに移行せずDNA修復も回復せず、FANCIはFANCD2のクロマチン移行にも機能していることがわかった。さらにFANCI機能の検討を進めている。 2. 早稲田大学の胡桃坂博士らと共同で、FANCD2のヒストンシャペロン活性とのDNA損傷修復との関係を調べた。多数のFANCD2C末とランケーション変異体を作成し、ヒストンシャペロン活性を完全に失ったFANCD2変異体同定した。この変異体は、ヒストンH2Bとの融合によってもDNA修復を行うことができず、シャペロン活性とDNA修復との関係が強く示唆される。今後さらに検討をすすめ、FANCD2の本質的な機能に迫りたい。
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[Journal Article] Chemopreventive effects of gefitinib on nonsmoking-related lung tumori genesis in activating epidermal growth factor receptor transgenic mice2009
Author(s)
Ohashi K, Takigawa N, Osawa M, Ichihara E, Takeda H, Kubo T, Hirano S, Yoshino T, Takata M, Tanimoto M, Kiura K.
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Journal Title
Can Res 69
Pages: 7088-7095
Peer Reviewed
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