2007 Fiscal Year Annual Research Report
クラスリン重鎖によるp53の転写活性化能制御の機構の研究
Project/Area Number |
17013088
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
田矢 洋一 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, (研究所)癌と細胞周期研究プロジェクト, プロジェクトリーダー (60133641)
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Keywords | p53 / クラスリン / エンドサイトーシス / NuMA / ALK / アクチン / Gas41 / Leading Ede |
Research Abstract |
p53のSer46周辺とクラスリン重鎖(CHC)の結合モデルも組めるようになった。また,このCHCにはNuMAと言われる蛋白質が結合すること,さらにはそのNuMAにグリオーマで遺伝子増幅していることが知られているGas41という癌遺伝子蛋白質が結合することも見つけた。このGas41はp53の活性を抑制することが外国のグループによって見つけられている。 そして,逆にp53が細胞質内の細胞膜周辺にも存在してエンドサイトーシス制御に関与しているらしいという,これまた予想外のことを見出した。特に,EGFを加えた時に細胞質の先端にある細胞膜形成を行うleading edgeでp53とCHCの局在が一致した。さらに,p53が細胞膜周辺でアクチンファイバーに沿って存在することはゴールドラベルしたp53抗体を用いた免疫電子顕微鏡でも確認した。p53をノックダウンすると細胞膜周辺でのアクチンのメッシュ構造が形成されなくなることも見つけた。さらには,p53をノックダウンすると細胞の運動が高まり,そこにp53を発現させると,また運動が抑制されることもわかった。これらのデータはp53が細胞膜周辺でエンドサイトーシスのみならず細胞運動をも制御していることを示唆している。これはまた,p53の失活が癌細胞の浸潤・転移の本質に関わっていることも示唆する。 また,CHCはいくつかの癌で染色体転座により融合蛋白質を形成することが知られている。その一つはALK(Anaplastic Lymphoma Kinase)との融合蛋白質CHC-ALKであるが,これを発現させるとp53のチロシン残基がリン酸化されてp53が失活することを見出した。p53のチロシン残基のリン酸化は初めての発見である。
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[Journal Article] Oncogene2008
Author(s)
Ohmori, K., et. al.
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Journal Title
Monomeric but not trimeric clathrin heavy chain regulatesp53-mediated transcription. 27
Pages: 2215-2227
Peer Reviewed
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