2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター・ピロリ感染による実験胃がんとその発症因子の解析
Project/Area Number |
17013096
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
立松 正衛 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 副所長兼部長 (70117836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 徹哉 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 室長 (00236861)
溝下 勤 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍病理学部, 研究員 (40347414)
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Keywords | Helicobacter pylori / スナネズミ / 胃型 / 腸型 / 内分泌細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
(1)スナネズミ腺胃がんの形質発現に対するピロリ菌の影響 H.pylori感染N-methyl-N-nitorosourea投与スナネズミに発生した胃がんの胃型(human gastric mucin、PAS、paradoxical concanavalin A staining)、腸型(Alcian blue、small intestinal mucinous antigen、intestinal alikaline phosphatase、CD10)の形質発現についての胃がん細胞分化への影響を検討した。H.pylori非感染スナネズミに発生した腺胃がんでは、病理組織型に関係なくすべて胃型であったが、感染群では、胃型、胃腸混合型、腸型、ヌル型と全てのタイプが発生した。 (2)ピロリ菌感染によるスナネズミ腺胃の腸上皮化生における腸型内分泌細胞の発現 H.pylori感染初期では胃型の上皮が再生し、胃腸混合型から腸単独型の腸上皮化生へと変化する事が観察されているが、スナネズミモデルを用いて内分泌細胞の腸型化が上皮変化と連動しているかどうか検討した。免疫組織化学的検索では、正常幽門腺ではchromogranin A (CgA)、gastrinが陽性で、十二指腸、小腸ではCgAとgastric inhibitory polypeptide (GIP)が陽性で、mRNA発現の程度とも一致した。H.pylori感染後、CgA、gastrin、GIP陽性腺管ともに50週まで増加し、50週以後CgAとgastrin陽性腺管は減少し、GIP陽性腺管が増加した。胃腸混合型腸上皮化生ではgastrinとGIP陽性細胞が共存する腺管が見いだされ、腸上皮化生は幹細胞の腸型化が胃腸混合型を経て完成すると考えられた。
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Research Products
(6 results)