2005 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞のRas依存的non-apoptoticプログラム細胞死
Project/Area Number |
17014009
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北中 千史 山形大学, 医学部, 教授 (70260320)
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Keywords | Ras / 細胞死 / がん |
Research Abstract |
我々はがんで特徴的に見られるRasの異常活性化により惹起されるnon-apoptoticプログラム細胞死の存在を初めて発見し、このような細胞死が実際に生体内で(Rasが異常活性化した)がん細胞の排除機構として機能していることを明らかにした。そこで現在このがん細胞のRas依存的non-apoptoticプログラム細胞死のin vitroモデル実験系を用いてその制御機構の解明を進めており、本年度(本研究課題)では従来から行ってきた細胞内活性分子の刺激薬・阻害薬を用いたスクリーニングの継続ならびにsiRNA発現ライブラリーを用いたゲノム・ワイドスクリーニングという新規方法論による細胞死制御因子の同定を試みた。細胞内活性分子の刺激薬・阻害薬のスクリーニングの過程ではcyclic AMPがRas依存的non-apoptoticプログラム細胞死の制御に関わっている可能性が明らかになってきた。また、Ras依存的non-apoptotic細胞死に対する感受性と細胞内cyclic AMPレベルの関係を調べてみたところ、細胞死感受性と細胞内レベルが相関する傾向が認められた。今後はこれらの所見の確認を進める予定である。またsiRNA発現ライブラリースクリーニングに関してはスクリーニングを実施するための準備(必要なマテリアルの作成や条件設定)を行った。特に本実験では生存細胞を選択的に回収する必要があり、これをflow cytometricに行うため緑色傾向蛋白質(GFP)でラベルしたRas蛋白質(GFP-Ras)を発現する発現ベクターを作成した。GFP-Ras発現ベクターとコントロールGFP発現ベクターを細胞内に導入した後flow cytometric analysisを行い、生存細胞と死細胞を分取するためのパラメータの選択、条件設定を行った。今後これらのマテリアル・条件を用いてスクリーニングを行う予定である。
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Research Products
(3 results)