2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 由季子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70252525)
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Keywords | Akt / 生存シグナル / アポトーシス / JNK / 14-3-3 |
Research Abstract |
細胞の生死は細胞死シグナルと生存シグナルのバランスによって制御されると考えられるが、それらのシグナルがいかに統合され、生死の判断に結びつくのかは依然として謎である。広範なストレス刺激で活性化するJNKは、ミトコンドリア上流において細胞死制御に重要な役割を果たすことが示されてきたが、JNKが細胞死を誘導する機構はその大部分が未だ不明であった。一方でAktはさまざまな増殖因子や細胞接着の刺激によって活性化し、細胞の生存促進において中心的な役割を果たしている。Aktの基質としてはBad、FOXO、Nur77などが知られているが、これらの基質がリン酸化を受けると14-3-3タンパク質と結合し、アポトーシス誘導活性が抑制されるという共通のメカニズムが報告されている。われわれは14-3-3タンパク質がJNKによってリン酸化されることを見いだした。さらに14-3-3がリン酸化されると、BadやFOXOなどの14-3-3結合分子が解離することを明らかにした。したがってJNKが14-3-3をリン酸化することで多くのアポトーシス誘導分子が14-3-3から解離し、細胞死の誘導に貢献する可能性が示唆された。Aktによる14-3-3結合タンパク質のリン酸化とJNKによる14-3-3のリン酸化は、それぞれ生存シグナルと細胞死シグナルを担っており、両者の拮抗的なバランスの関係が生死の判断に寄与する可能性が示された。
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Research Products
(6 results)