2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014015
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
福井 泰久 Hoshi University, 研究員 (00181248)
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Keywords | PI3-キナーゼ / 印環細胞がん / 細胞接着 / 細胞運動 / ラッフリング |
Research Abstract |
印環細胞がんは細胞間相互作用が失われていること、タンパク質の分泌が亢進しているために大きな液胞が観察されるのがの特徴である。その細胞相互作用のシグナル伝達は今までにホスファチジルイノシトール3キナーゼ、Rac、MKK6、p38MAPキナーゼを経て、最終的にはアクチンの再構成を伴って細胞間相互作用の喪失につながると考えられている。しかしながら、p38MAPキナーゼがどのように細胞間相互作用を調節するのか、わかっていない。そこで、細胞に活性型MKK6(p38MAPキナーゼの上流因子)を発現誘導できるように組み込ませ、発現誘導とともに細胞間相互作用が失われる細胞系をMCF7細胞を用いて作成した。この系を用いてp38MAPキナーゼの下流因子と考えられる分子に対する阻害剤の効果について調べた。その結果、MAPKAPキナーゼの阻害剤がp38MAPキナーゼを介する細胞間相互作用の調節に関係し、MAPKAPキナーゼの関与がわかった。 一方、SWAP-70に関しては、SWAP70依存的な細胞移動に関して、各種薬剤の効果を調べた。SWAP-70欠損マウス胎児繊維芽細胞にSWAP-70を発現させた細胞、v-Srcを発現させた細胞はSWAP-70欠損マウス胎児繊維芽細胞より運動性を増している。この系を用いて、SWAP-70依存的な細胞運動を阻害する薬剤を検索した。ボイデンズチャンバーを用いた血清による細胞の走化性を指標に薬剤の効果を検定した。特から支給されるキットを用いた結果、17-AAGのみが求める活性を示した。これらの関係はビデオ撮影による細胞運動の観察でも確認された。17-AAGはHsp90というタンパク質の阻害剤で、その抗がん活性に注目が集まっている。SWAP-70もマウス胎児繊維芽細胞のトランスフォーメーションと関係があることが示されているが、17AAGの抗がん活性にSWAP-70が何らかの関与をしていることが示唆された。
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